★総合歯科 万代総合歯科診療所の日常臨床 前歯への歯牙移植3年後★
※ 抜歯等の外科手術の写真がありますのでご注意下さい。
今回は、自家歯牙移植術を行い3年経過した症例を報告します。
万策尽きて抜歯となってしまった場合、その後の処置としてインプラント治療・ブリッジ・義歯(入れ歯)があります。
万代総合歯科診療所には、この他の選択肢として『 自家歯牙移植術 』という技術があります。
他の選択肢よりも厳しい条件がありますが、条件をクリアできればとても有力な技術です。
★ 症例提示 ★
初診時

主訴:右上の前歯の歯肉が腫れた。
現病歴:右上の1番目の前歯(以下 右上1)は、過去に根管治療と歯根尖切除術を受けた。しかし再度違和感が生じ、数術前より歯肉の腫脹を自覚する。

右上1番目の歯、歯肉に腫脹と排膿を認める。


患者に抜歯の必要性とセカンドオピニオンの提案を行ないました。患者はセカンドオピニオンを受けずに抜歯を了解し、次善策の提案を希望しました。
抜歯後は、何らかの方法で新たに人工の歯を入れることが必要になります。本症例では、通常はインプラント治療かブリッジを選択することになります。
この患者さんは、今回の前歯の他に若干の歯並びの問題もありました。
インプラント治療やブリッジを装着してしまうと、後になって『 矯正をしたい! 』となったときに、その処置が大変厄介になってしまいます。

不働歯は通常は抜歯の対象になります。矯正担当医に確認したところ、将来矯正治療を行う場合でもこの歯は不要であるとの回答でした。
左下小臼歯と上の前歯は、歯根の形が近似しています。この不働歯を抜歯して、移植のドナーとして右上1に移植する提案を行い、患者もこれに同意しました。











最終的にはインプラント治療もブリッジも行わず、自身の歯で問題解決ができました。