少しマニアックな歯科の話①~ラバーダム防湿法~

今後、数回にわたって、皆さんにとって普段あまり馴染みのない「歯科治療の少しマニアックな部分」をご紹介していこうと思います。

馴染みのない話題からかえって歯科に馴染みをもって頂ければと願っています。

第1回目は「ラバーダム防湿法」についてです。


上の写真のケースでは、右上の4番目の根管治療をする際に その後方の歯、上の写真では右上の6番目の歯に金属の輪っかのようなもの(クランプ)を掛けています。

そこから正方形のゴム製のシートを張り、治療対象の歯 及びその周囲数歯のみをシートの外側に露出させています。

別の患者さんの写真ですが 少し引いたところから全体像をみると、下のような感じになります。

では、何のためにこんなことをするのかというと・・・

①:
歯科治療は、お口の中に存在する様々な細菌との闘いです。

これらの細菌は唾液の中にも含まれるのです。

ゴムシートを張り、 歯のみをシート外に露出することで無用な細菌の侵入を防ぐことが期待できる。

②:
①とは反対に、歯科治療で使用する薬剤や器具がお口の中に漏洩(漏れ出す)したり、落下したりするのを防ぐことが期待できる。

こういった目的があります。

この目的を達成するために、上の写真でもわかるように 歯の周りに透明色のゼリー状の材料が張り付いています。

これは、ゴムシートと歯の間の僅かな隙間さえも埋めるように工夫しているのです。

ただし、欠点もあります。

①:
多少なりとも患者さんは苦痛がある。→「歯が締め付けられる感じ」「強制的に口が開いた状態になる」

②:
慣れていれば問題ないものの、施術側には煩わしさがある。

現在、このラバーダム防湿法を普段から行っている歯科医師は全体の4~5%程度しかないという報告もあります。

歯科治療をする上で確実に品質を向上させてくれるものでありながら普及率が低いのは、上記のような 「欠点」 を 「言い訳」 としてしまっている背景があります。

万代歯科診療所では、一時的な苦痛やご負担の先に、真の利益を提供できると信じて日々の臨床にあたっています。