『おすすめの歯磨き粉は?』よりも大事なこと④

前回までのお話で
『歯垢(プラーク)をしっかり除去できるブラッシングの実践』
『糖分摂取の管理をしっかり行う事』

これらの重要性についてお伝えしてきました。

その中で
「歯磨き粉の種類の選定は大事ではない」
「歯磨き粉を使わなくても、丁寧に磨けば問題ない」

といった内容をお伝えしました。

確かに、歯磨き粉の選定よりも大切な事がありますが、こちらから患者さんに対して、使用中止をお願いしているものがあります。

それは「顆粒(ツブ)入り歯磨き粉」です。

下の写真をご覧下さい。

ある患者さんの初診時の右下奥歯部分です。

その後、右下7番欠損部分(歯のない部分)にインプラント治療を行い、手前の歯にはブリッジによる補綴治療を行いました。

これは、インプラントの上部構造(かぶせもの部分)を製作する最終段階まできて、仮歯を外したところです。

そして、インプラント部分を拡大してみると・・・

上の写真のように、歯磨き粉の顆粒(ツブ)成分が、インプラントと歯肉の間に大量に入り込んでいることが確認されたのです。

顆粒(ツブ)成分そのものに問題はありません。

しかし、これがインプラントと歯肉の間にひとたび入り込んでしまうと、患者さん自身では除去が非常に困難になります。

そして、繰り返し「顆粒(ツブ)入り歯磨き粉」を使用し、その度に顆粒(ツブ)が入り込んでしまえば、顆粒(ツブ)が堆積してしまい、インプラントと歯肉の隙間を押し広げかねません。

押し広げられた隙間にプラーク(歯垢 細菌の塊)などの汚れが侵入してしまえば、インプラント周囲に感染等の問題を引き起こしてしまうことも考えられるのです。

同様に、外科処置後の傷口等にも容易に顆粒が入り込んでしまい、感染等の問題が起こる可能性もあるため、該当する方々には当院から使用中止をお願いしています。

歯磨き粉の種類に必要以上に固執することはありません。

お伝えしてきました通り、大切な事は他にあります。

しかし、「顆粒(ツブ)入り歯磨き粉」の使用は避けた方が賢明かと思われます。