審美歯科 本質論

万代歯科診療所が考える審美歯科治療の本質

なぜ入れたばかりのセラミックの白い歯がすぐダメになってしまうのか?

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万代歯科診療所が今になって「審美歯科」について伝え始めたのは…

私は1998年の開院以前の勤務医時代から審美歯科においても研修・研鑽を重ねています。
今までは「審美歯科」について、敢えて皆様にお伝えしていませんでした。
万代歯科診療所は

  • @口腔内の健康な状態を失った方を、機能的・形態的に以前の健康な状態に回復させること
  • A口腔内の健康な状態を取り戻した、またはすでに健康な状態である方に対して、いかにその健康な状態を維持・管理していくこと

を、開院以来一貫して臨床の主軸においています。

万代歯科診療所における審美歯科の位置づけは、前述@Aの延長線上にあるものとしていますので、
特別に審美歯科をお伝えする必要はないと思っていました。

ただ、現代においては年齢性別を問わず「いつまでも若く美しくいたい」という
Anti-Aging(抗老齢化)の考えが広く浸透してきており、このためか
「万代歯科診療所では審美歯科を取り扱っていないのですか?」とのお問い合わせを頂くようになりました。
私は、ひとつは「万代歯科診療所は審美歯科を手がけていない」との誤解を受けるのは良くないと思いましたが
もうひとつは「審美歯科が変な方向にいっていないか?」とも思い、今回審美歯科についてもお伝えすることにしました。


審美歯科よりもずっと大事なことがある

御本人、または周囲の方が「この前せっかくセラミックの白い歯を入れたのに、すぐにダメになってしまった」
というような経験がありませんでしたか?
皆様が「この前せっかくセラミックの白い歯を入れたのに、すぐにダメになってしまった」
という思いをしたくないのであれば、皆様におかれましては
「審美歯科よりもずっと大事なこと」にもっと関心をよせていただきたいと思うのです。


審美歯科を家の建築にたとえると

皆様は「審美歯科」というとどのようなイメージをお持ちですか?
「銀歯」をレジンやセラミックなどの「白い材料」に置き換えることですか?
「審美歯科」は「家の建築」でいえば「外壁や屋根瓦の材質・色・デザインをどうするか」ということに相当します。
「白い歯をかぶせてキレイになりました」という事だけで審美歯科を語ることは
「設計・地盤・基礎・柱・梁・壁・強度・清掃維持管理」等を考慮に入れずに
「美しい外壁や屋根瓦に交換してキレイな家になった」と言っているのと同じです。
もちろん、外壁や屋根瓦自体にも強度・耐久性・寸法精度などの機能性を考慮する必要があるのは
当然の事ではありますが、それは家の「設計・地盤・基礎・柱・梁・壁・強度・清掃維持管理」等の問題がない、
または解決済みであることが前提です。


「外壁や屋根瓦」だけで「家の建築」が成立するはずがない

「外壁や屋根瓦」だけで「家の建築」が成立するはずがない。言われてみれば「あたりまえ」のことですよね。
私は歯科医師ですので建築業に決して詳しいわけではありませんが、ある建築家が
「家の建築は、外壁・屋根瓦のデザインの一言に尽きる」なんていわれれば、
建築の素人である私でさえ「?」となってしまいます。
外壁・屋根瓦のデザインというのは建築における設計・地盤・基礎・柱・梁・壁・強度・清掃維持管理などの
基本原則を守った家の延長上にあるものだと思うのです。


もう一度見てください

もう一度、審美歯科 PART1PART2をご覧になってください。
結局「外壁・屋根瓦をいかにキレイにしたのか」しか伝わらないのです。
実際セラミックの歯を作っているのは歯科医師ではなく「歯科技工士」なのに、
「審美歯科」に特化して伝えると「歯科技工士の業績を奪っている」ようで…。
まぁコメントには多少「ホントは、こっちのほうも大事ですよ」というのも入れておきました。

繰り返しですが、万代歯科診療所においては
「口腔内の健康な状態を失った方を機能的・形態的に以前の健康な状態に回復させること」
の延長線上に審美歯科があるものと位置づけています。
「口腔内の健康な状態を失った方を機能的・形態的に以前の健康な状態に回復させること」
をやっているわけですから、特に「審美歯科」と分けなくても、結果として
「自身が本来持つ自然な美しさを取り戻す」事になるのです。


どこに「間違い」があるのか?

家の建築で言えば「設計・地盤・基礎・柱・梁・強度・清掃維持管理」等に相当する
「治療計画・歯周病治療・根管治療・虫歯治療・予防管理」のことを、
「どこの歯科医院でも完璧にできるありふれた治療」と軽視してしまい
「キレイな外壁や屋根瓦」に相当する「セラミックの白い歯」を「いかに早く安く入れること」
にしか目をむけないから、いつまでたっても「せっかく白い歯を入れたのにすぐダメになってしまう」のです。
つまり「歯科医院選び」に問題があるのです。
皆様におかれましては「どこの歯科医院で審美歯科を受けても結果は同じ。
それならばどこの歯科医院が、通院回数が少なくて値段も安く抑えられるか、
ホームページなどで審美歯科を表示している候補の歯科医院に電話して聞いてみよう!」とか
「テレビで紹介されたのだから、あの歯科医院は安心!」という意識を、
今すぐにでも消し去っていただきたいのです。


では「大事なこと」とは?

本当に大事なのは
「歯肉から頭を出している”見える範囲の歯“(外壁・屋根瓦)に
キレイなセラミックの白い歯が入っているか」のみに目を向けない歯科医師ではなく、
予防管理(消防の火の用心)の裏打ちのもとに
歯肉(地盤)・歯根(基礎・柱・梁)も含めた歯牙-歯周組織(土地つき一軒家)の集合体である
口腔内(地域・市町村)をトータル・全体として治療(行政的介入)のできる歯科医師(自治体)のもとで
歯肉から頭を出している”見える範囲の歯“(外壁・屋根瓦)の治療を受けることであると思います。
具体的用件として

@ 予防管理のシステムができている歯科医院であるか

A 虫歯を確実に除去できているか

B 根管治療は的確に施術できているか

C 歯周病治療が的確に施術できているか

D 形成(歯の形を整えること)、Provisional Restoration(仮歯)が的確にできているか

E これらの処置をマイクロスコープまたはルーペの使用下で精密に行われているか

F 歯肉圧排やシリコン印象剤を使用して正確な印象採得(歯型とり)を行っているか

G 歯科技工士に適切な指示を出しているか、不具合があれば躊躇せずに再製作をしているか

以上のことが挙げられます。ぜひとも皆様には、審美歯科も含めた
「歯科に対する総合的な正しい認識と技術を持った歯科医師」
による施術を受けていただきたいものです。


そんなこと判定できない!

「そんなこと判定できない!」…おっしゃる通りです。
プロじゃあるまいし…そんなことを判定できるはずがありません。
今私が申し上げたことは、ラーメン屋さんが「よいラーメン屋の条件」として、
「スープの材料の選択は的確か、必要十分に煮込んでいるか」
「製麺時のこね方はどうか、麺のちぢれ具合はどうか」「茹で加減はどうか」
「焼豚の味付けは?火の通し具合は?」なんてことを伝えているのと同じで、
私でさえ「そんなの知らね〜よ!!ラーメンは旨いかマズいかだろうが!!」となりますからね。


いや、ちょっと待てよ

でも皆様の中には「どうしてこの歯医者は、わざわざこんなことを伝えているのか?」
と感じる方もいると思います。
ラーメンであればマズかったとしても、食中毒にでもならない限りそれほど困りません。
ビール・餃子をつけても、せいぜい\2,000くらいのロスで済むことです。

しかし審美歯科はそうはいきません。セラミックの白い歯は、1本につき数万円〜十数万円の費用がかかります。
また削った歯は二度と元には戻りませんので、時に「取り返しのつかないこと」になることもあります。
ですから、どんな天才歯科医院にも「技術と材料の限界」があるにせよ、
皆様におかれましても「歯科医院の選択」に関しての「眼」を持っていただきたいのです。


どのようにすれば…

ではどのようにすればいいのでしょう。
この文章をお読みの方は必ずホームページ(以下HP)をご覧になれる環境にあるわけですから
「HPから垣間見える、歯科に対する総合的な正しい認識と技術を持った歯科医師」を見つける方法があります。

この方法は、当院にお見えの方が遠方に転居されるときに、転居先近辺の歯科医院の中で
「この歯科医院なら技術がしっかりしているので紹介できると判定できる歯科医院のHPの特徴」と当てはまります。


「こだわり屋」をさがせ!

一言で言えば「治療技術こだわり屋をさがせ!」ということになります。
ではHPから上記@〜Gを表記している歯科医院を探せということなのでしょうか。
実際にHPで上記@〜Gを表記している歯科医院はまずありません。

しかし「治療技術こだわり屋歯科医師」は、学会やスタディーグループ(勉強会)などで
定期的に何らかの形で自身が手がけた治療の症例発表を行っています。
比較的多くの「治療技術こだわり屋歯科医師」は、これらの症例を上記A〜Cのように
「術前⇒術後」という形で自院のHPにも載せていることが多いのです。

私は自身の手がけた多くの症例をHPに載せている歯科医院を、
「この歯科医院なら技術がしっかりしているので紹介できると判定できる歯科医院」と解釈しています。
ただしHPに載せている症例のなかでインプラントと審美歯科に関することは、敢えて除外しています。

家の建築で言えば「設計・地盤・基礎・柱・梁・強度・清掃維持管理」等に相当する
「治療計画・歯周病治療・根管治療・虫歯治療・予防管理」のことを自院の症例写真
またはレントゲン写真つきで載せている歯科医院を重要視しています。
医院の方針でHPに載せていない歯科医院もあります。
このような場合は、院内カウンセリングなどのときに見せてもらえると思います。


それでは意味がないのでは?

審美歯科のことを除外してしまえば意味がないではないか?このような意見が出ると思います。
全く心配無用です。

家の建築で言えば「設計・地盤・基礎・柱・梁・強度・清掃維持管理」等に相当する
「治療計画・歯周病治療・根管治療・虫歯治療・予防管理」のことを重要視している
「治療技術こだわり屋歯科医師」は、これしかやらないのではなく、これに続く
「外壁や屋根瓦の材質・色・デザインをどうするか」
ということに相当する審美歯科に対しても、当然のように「こだわり屋」なのです。

この「こだわり屋」の歯科医師は上記@〜Gのことを当然のようにクリアしているはずです。
(ただしEは設備に関する事ですので、除外されるかもしれません。)


まだ、こちらのほうがマシ

もしかしたら「こだわり屋」の歯科医師が手がけた審美歯科よりも、
「外壁や屋根瓦の材質・色・デザインをどうするか」ということ
つまり「歯グキから上の審美歯科」にしか考えていない歯科医師が手がけた審美歯科のほうが、
「外観上の結果」だけは優れているかもしれません。

ただし
A:外観のデザインは完璧なまでに美しいが、設計・地盤・基礎・柱・梁・強度・清掃維持管理に問題がある家
B:外観のデザインはかなりの出来ばえであり、設計・地盤・基礎・柱・梁・強度・清掃維持管理も万全の家
の場合

Bの家はどうしても外観が気に入らなければ壁・屋根瓦の修繕は
どうにかなると思いますが(実際の建築においては不可能かもしれません)、
Aの家に何らかの問題がおきれば、まず間違いなく相当の根本的な改修を余儀なくされます。

以前にAのようなマンションをつくった会社がありませんでしたか?


セラミックの歯も例外ではない「鉄則」

審美歯科において、知っておいていただきたいことがあります。それは、車や家も然り
「どんなに完璧な過程で製作・提供されたとしても、使っている人工物は必ず年月とともに朽ち果て壊れていく」
という鉄則を知っておいてほしいと思います。

装着したセラミックの白い歯が一生持ちこたえることはありえないという認識でいて下さい。


また今日も大事な歯がいとも簡単に削られていく…

審美歯科 PART1PART2で紹介されている症例は
「虫歯治療や根管治療などで、やむをえず歯を削ることが必要になった。
 削った部分を何らかの材料で修復することになるが、せっかくだから今回は銀歯ではなく白い歯にしよう」
という目的で施術されたものです。

つまりこれらの症例は、白か金属色かを問わなかったとしても
必要であった虫歯治療や根管治療の延長上に存在するもので、
歯を削って白い材料で修復を行うリスクを上回る利益をもたらす結果につながっています。

しかし、昨今においては虫歯等の問題がまったくないのに、歯の形が気に入らない、
芸能人のように真っ白な歯にしたい、歯の位置が気に入らない、など
施術利益が施術リスクを上回らない単なる美容目的の施術や歯列矯正治療で対応すべきはずの症例を、
極めて安易な心構えでセラミック修復による解決を希望される方や、「患者様の立場にたった治療」という
大義名分において、その治療のリスクやほかの治療方法をしっかりと説明することなしに、
これまた極めて安易に施術している歯科医院の存在があります。

皆様におかれましては、美容目的のみで歯を削ってセラミック修復を行いたいのであれば、
ネイルアートをうけるような感覚ではなく
「自身の生爪をはがして二度と爪がはえてこないようにしてから、オシャレなつけ爪を装着する」
くらいの覚悟を持つ必要があるのです。

審美・美容歯科にて100万円以上の費用をかけて安易な施術を受けたあげく、
結局短期間で脱離、虫歯の再発、歯髄壊死、セラミック破折などの様々なトラブルを頻発させ、
当院へ半ベソ状態で駆け込む方は1人2人ではありません。
審美・美容歯科を安易に行う歯科医院も問題ですが、きつい言い方になりますがこのような方の
「歯科医院選び」における相当の反省を促さざるを得ません。

歯科医療において、これからは「歯科医院選び」を含めた「自身の健康は自身で守る」
という意識を一日も早くしっかりと持っていただきたいものです。


やっぱり「自身の天然歯」に勝るものはない

右写真をご覧下さい。70歳の方の前歯です。
加齢とともに多少のすり減りや色が濃くなっているのが
認められますが、病的な問題は全くありません。

この前歯は6歳くらいではえてきますので、
約65年もの間 天然のままでいるのです。
セラミックの歯を65年も持たせることはまず不可能ですが、
この方のように6歳くらいではえてきた天然の前歯を
70〜80までもたせることは、普通に予防管理をしていれば
何ら不可能な事ではありません。

この事実を忘れないでおいて下さい。

 
 


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