自由診療移行のお知らせ

万代歯科診療所は平成21年6月30日をもちまして健康保険医療機関を辞退し、平成21年7月1日より自由診療専門の歯科医院となりました。

これに伴って、皆様がお持ちである健康保険証を利用しての歯科医療の提供を終了し、歯科医院の方針・技量・使用材料に照らし合わせた適正価格を設定・提示した上で、健康保険制度の制限・制約にとらわれない歯科医療を提供する自由診療へと移行します。

歯科医療は、歯科医師の専門知識・技術・経験・良心に裏付けられた治療方針通りに行うことこそが本質である事は、論を待たないことです。

しかし健康保険制度における歯科医療においては、歯科医師の専門知識・技術・経験・良心に裏付けられた治療方針通りに行えるものではなく、診療方針や使用できる材料に強大な規制・制限があります。

健康保険制度が発足した当初しばらくは歯科医療のレベルも高いものではなく、また当時の患者さんの歯科治療に対する要求も画一的に「必要最低限」であったために、この制度は順調に運営できていました。

現在となっては日本社会も成長・成熟し、歯科医療に対する要求が皆様各個人によって多様化・高度化してきたことに伴って歯科医療は医学的に進化・発展してきました。

ところが、健康保険制度における歯科医療は一貫して「必要最低限」を基本方針としているために、「自身の大切な歯を極力抜かずに残す」ことにおける極めて重要な予防管理・虫歯治療・歯周病治療・根管治療の医学的な進化・発展に健康保険制度が追従しておらず、明らかな制度疲労をおこしています。

また医療の医学的な進化・発展は、裏を返せば「それだけ費用がかかる」ともいえます。

しかし医療全般においては「高齢者医療」や「医師不足」が当面の課題となっており、限られた財源は必然的に歯科ではなく医科のほうに優先的にまわされています。

「先進諸外国の医療費はとても高い」という情報は、皆様の多くの方が何らかの形でご存知かと思います。

これを世界的に見れば、実際は「日本の健康保険診療医療費が先進諸外国の医療費に比して異常なまでに安い」のです。

したがって歯科医院側も「制限価格における制限治療の提供」か「適正価格における良質医療の提供」かの分岐路に立たざるをえない状況にあります。

この異常に安い健康保険診療費は「歯を残す」ための予防管理・虫歯治療・歯周病治療・根管治療よりも、 大半の症例で歯を抜かないと始まらないインプラント治療や、大半の症例で歯を削らないと始まらない美容審美歯科との医院収入インセンティブにおける強大な格差を生じさせています。

もし、あなたが受けている健康保険診療が「値段は安いが衛生面や治療の品質は“それなり”である。」ということをご承知の上で受診されているのであれば、私は何も申し上げるつもりはありません。

しかしあなたが「日本の歯科医療レベルは世界に誇ることのできるレベルで、この“世界に誇るレベルの歯科医療”が、日本全国どこの歯科医院でも健康保険診療にて受けられるのは当然である。」と思われるのであれば、「何らかの方法で、もう少し正しい情報を得てみてはいかがでしょうか?」と思うのです。

「耐震偽装・食品偽装」などの問題が時々報道されています。

これらの企業には大きな責任があると思いますが、これらは「価格維持を願う消費者の立場にたつ」という大義名分のもと、「消費者には判別できない、品質の低下・偽装に裏打ちされた価格の維持」という「本末転倒の良心」に問題の根源があるのだと思います。

しかし、価格維持のために品質低下・偽装をすれば批判を浴びせ、 品質維持・向上のために値上げをすれば批判を浴びせるといった“「値段が安くて高品質」が当然”という、権利的意識に基づく報道の仕方にも、私は問題があると思います。

私はこれらの企業に対して品質低下・偽装を責めるよりも、 品質低下・偽装するくらいならばもっと早い時期に 「今まで必死の思いで企業努力を続けてきましたが、今後は残念ですが品質の維持・向上のためには値上げが必要です。」 と、自身に襲いかかる「顧客離れの恐怖」を振り払ってでも、なぜ勇気を持って世間に伝えなかったのだろうかと思います。

万代歯科診療所も現在、努力の甲斐なく「適正価格における良質医療の提供」か「制限価格における制限治療の提供」かの分岐路に立つことになり、そして以下のように決断いたしました。

万代歯科診療所は平成10年の開業以来、一貫して皆様に「健康保険診療でも高品質の歯科医療を提供していく」ようにと企業努力を続けてまいりました。

しかし、健康保険診療制度における過大な治療制限と低すぎる健康保険診療給付額のため、もはや健康保険診療制度下において高品質の歯科医療を提供する事は不可能と判断いたしました。

したがって万代歯科診療所は、今後は健康保険診療を撤廃した自由診療の歯科医院として、健康保険制度の制限・制約にとらわれない歯科医療を提供していきます。

これにより「皆様の口腔内を抜歯⇒インプラントだらけにして、皆様の口腔内の健康を保つ」のではなく「皆様の口腔内において、インプラント治療の適応となってしまう歯牙欠損そのものを最小限にし、継続的な予防管理の裏打ちのもとで、機能できるはずの歯牙を極力残していく」という方針で、真の意味での「皆様の口腔内の健康を育成する歯科医院」を継続していこうと思います。

現時点では当院のような自由診療に移行する歯科医院はまだ少ないのですが、今後は「歯を極力抜かずに残す」ための予防管理・虫歯治療・歯周病治療・根管治療の研修・研鑽を地道に続けていた歯科医院から、 順次自由診療に移行していくことは必至のことであると皆様に申し添えておきます。

とはいえ、皆様には「では私の場合、いったいどのくらいの治療費がかかるのか?」といった不安があるのは当然のことと思います。

万代歯科診療所では、皆様への口腔内の総合検査 \35,000(税別)の後、治療方針・費用の説明を行ってから、皆様が十分納得された上で診療を開始しています。

ご本人またはお子様に矯正専門医による歯列矯正治療の経験のある方は、このようなシステムに対して比較的違和感は少ないかと思います。

万代歯科診療所が提案する治療方針・費用が、あなたがお持ちである『長期的な口腔内の健康に対する価値観』に合致した場合のみ診療開始をお申し付け下さる形で結構です。

真の意味で ご自身の「口腔内の健康を守り育てる」事が、いかに今後の人生の質【Quality of Life】や抗老齢化【Anti-Aging】を大きく左右する要因であるかを理解していただければ、万代歯科診療所は今後もあなたに「価値のある人生」のお手伝いができるものと確信しております。

万代歯科診療所ではすでに「健康保険診療の制限治療ではなく、将来の自分の健康を守る質の高い歯科治療を受けたい」と希望される方が受診されています。

万代歯科診療所はそのような健康意識の高い方々から、この先10年20年後に「あの時、お前の言うとおりにしておいてよかった」と言ってもらえるように、皆様にもそして当院にも納得のいく歯科臨床に専念していきたいと思っております。

医療法人優貴会 万代歯科診療所 理事長 笛木 貴